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こわ・おもしろ玉手箱 第04話:「モラルの向上」

第4話: 「モラルの向上」

十七年ほど前のことです。仕事でベルギーに出張中、自分あての電子メールを受け取りました。
まだパソコンが広く普及する前でしたが、ネットワークで世界はひとつになっていることを実感しました。今では「なんでそんなことに感動するの?」と言われそうですが・・・。しかし、その時は海外にいることも忘れ、日本で寝ている相手にメールで仕事の指示をして翌日に返事をもらい、なんだかとても得したような気分でした。「一日で二日分の仕事ができた」という感動でした。世界中どこにいても、いつでも仕事ができる時代になる!世の中が大きく変わる予感がして身震いがしました。

このことは遠い昔のこと。現在は、隣の席の人にも電子メール、会話よりも携帯メール、愛の告白もメール、喧嘩(けんか)もメール、勧誘・宣伝もメール、おまけに詐欺や脅迫までも。なにがいったいどうなっているのでしょうか。

メールの誹謗(ひぼう)中傷によるイジメ・自殺への追い込み・殺人事件への展開、偽造メールと政局の混乱。大きな社会問題を起こしています。手紙が単に電子化され、大量に、気軽に、瞬時に、だれとでも文通できるようになっただけなのに、どうしてでしょうか。
実はこの「いつでも、どこでも、誰でも」が曲者(くせもの)なのです。相手が見えないので罪の意識が薄く、活字になっている分信用しやすい。自分を隠す方法がいくらでもあり、事件・犯罪にいろいろな手が使えます。

防ぐ方法は三つです。

「利用者のモラルの向上を国家(世界)レベルで上げる」「利用者が自分の責任で対策を実施する、リスクを管理する」「事件・犯罪を徹底的に取り締まる」。最初の対策は基本で、国をあげてメールの書き方・ルール・モラルの普及に努めるとともに、小さいときからきちんと教育する必要があることを痛感する毎日です。

(後藤三郎・ソフトピアジャパン専務理事)
平成18年6月20日 中日新聞「しんぶん@ネット」掲載

(注:作者の役職は当時のものです)

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