公益財団法人ソフトピアジャパンの「デジタル化」推進計画

皆さんこんにちは、公益財団法人ソフトピアジャパンの広報担当です。今回から、公益財団法人ソフトピアジャパンの「デジタル化」への取り組みをご紹介していきます。

背景 ~デジタル化推進のきっかけ~

 

公益財団法人ソフトピアジャパンは、岐阜県の出資割合が100%の団体であり、年間の事業費支出額は約2億8千万円 (令和4年実績)。職員数は31名(令和5年4月現在)となっています。
また、事業費の支払手続等のほとんどを岐阜県の規則に準じており、岐阜県が進める政策に沿う形で財団を運営しています。

その岐阜県が、「岐阜県デジタル・トランスフォーメーション推進計画」を令和4年3月に、「岐阜県経済・雇用再生戦略~県経済の再生から持続的発展に向けて~」を令和5年3月に策定し、岐阜県経済・雇用再生戦略の6つのプロジェクトの1つに、「DX」・「GX」推進加速化プロジェクトが打ち出されました。

このプロジェクトにおいて、主な取り組みのうち、”公益財団法人ソフトピアジャパンのデジタル化に向けた環境整備”として、公益財団法人ソフトピアジャパンに、デジタルオフィス環境を整備するほか、企業支援情報のデータベース化等、業務環境の完全なデジタル化を先行的に実施し、他の支援団体のモデル事例となることを目指すことが示されました。

これらを受け、公益財団法人ソフトピアジャパン(以下、財団)では、令和5年度から4ヶ年の計画で財団内の業務や環境についてデジタル化を進めることとしました。

特に、今年度は前述の具体的な政策プロジェクトにある「企業支援情報のデータベース化」「デジタルオフィス環境の整備」について進めていきます。

①企業支援情報のデータベース化
企業支援事業において支援内容をまとめた情報の集約(データベース化)だけでなく、財団が実施する研修事業やセミナー等の参加情報などとの関連付け、さらに訪問履歴の管理等も含めた、いわゆるCRM(顧客管理システム)に相当する仕組みを検討します。
特に、今年度では各種事業で使用する情報(項目)の整理と、システムで使用する環境等を重点に調査・整理します。

②デジタルオフィス環境の整備
既存の業務は全て紙による運用が前提になっており、全ての業務でペーパーレス化を図るために必要な機材や環境について検討します。特に今年度では、既存の事務手続き等ルールの変更はできる限り行わず、今のルールのままで対応できること、出来ないことを調査しながら、新しいオフィス環境の整備に取り組みます。

 

この2つの取り組みにおいて、現在若手の職員を中心に、自分たちが将来どのような環境で、仕事を取り組んでいきたいか。どんな機能があれば仕事がしやすくなるか等、定期的な打ち合わせ時間をとり検討を進めています。

 


vol.1:デジタル化への第一歩 ~財団の業務分析と企業DBプロトタイプ試作調査~

 

vol.1では、財団がデジタル化への第一歩を踏み出すためにどのような取り組みを行っているかをご紹介します。
業務分析の重要性、企業データベースプロトタイプの試作調査、そして職員が受けた業務洗い出しワーク&ノーコードツールによる企業データベース(※1)プロトタイプ開発研修、実際に導入した機器等(※2)を使用してみた率直な感想をお伝えいたします。

 

(※1):①企業支援情報のデータベース化に関連した取り組み
(※2):②デジタルオフィス環境の整備に関連した取り組み

 

なぜ財団の「デジタル化」が必要なのか

 

デジタル化には多くのメリットが考えられていますが、財団としては、以下の3つをメリットとして考えています。

 

1.効率と生産性の向上
デジタル化によって業務プロセスを効率化することができます。デジタルツール・クラウドサービスを活用することで、従来のアナログな方法では時間がかかった業務が、自動化や情報の迅速な共有が可能になります。これにより、業務のスピードと正確性が向上し、生産性も高まります。

 

2.コスト削減とリソース最適化
デジタル化によって紙や印刷物の使用を削減すことができます。電子文書を活用することで、文書管理(保管)のためのスペースを削減できます。また、デジタルツールやクラウドサービスを使用することで、場所や時間に制約されずに業務を行うことができます。

 

3.データの活用と連携の強化
デジタル化によって蓄積されたデータを活用することで、より効果的な事業を行うことができます。また、デジタル化によって情報共有と連携が円滑になり、財団内のコミュニケーションや知識の共有が促進されることで、他部署との連携もしやすくなります。

 

岐阜県内のDX支援拠点として位置付けられた財団は、近年の急速なデジタル化により、業務量の増加や業務内容の変化に対応するため、上記のメリットを考慮して、ペーパーレス化や職員から要望があった企業情報データベースの構築など、取り掛かりやすいことから始めました。

 

 

デジタル化のために「何から」始めたのか

 

現状と課題(企業情報データベース)

財団で実施している企業支援の内容について、オフィス系のソフトウェアで電子記録として作成していましたが、それらの原本は全て紙として保管しています。また、作成した電子記録のファイルは、ファイルサーバー内に保管されていますが、個々のファイルとして存在しており、その内容は、データ化されていません。その為、過去の支援記録を探すには、紙の書類を確認するか、ファイルサーバー内の文書ファイルを確認するなど、検索や情報の共有に時間を要しています。
この状況を改善するため、企業支援の内容などをデータベース化することを検討することとしました。

 

1.業務洗い出しワーク&企業情報データベースプロトタイプ開発研修を職員が受けてみた
財団の職員が、デジタル化推進のために必要なスキルや知識を向上させるために、自身の業務、財団全体の業務の洗い出しを行うワークショップと、ノーコードツールを使用して実際に企業支援情報データベースのプロトタイプ開発を行いました。研修を実際に受講した職員の感想や反応などをご紹介します。

■現在の業務分析の重要性
デジタル化のためには、現在の業務を詳細に分析することが重要です。財団の業務プロセスの過程で、どの業務がデジタル化に適しているのか等を検討しました。

①現在の業務洗い出しワーク
■職員の感想
・業務分析の手法として「面→線→点」で捉える方法を各種事例やワークを交えて学ぶことができた。
・参加したメンバー全員の目線を面・線・点の観点で合わせることができたのが重要だと思う。業務を分解することにおいて、目線を合わせることについてはこれからも大事にしていきたい。
・お互いの業務について、理解が足りていなかったところを研修を通して理解することができたことも重要だった。
・洗い出し、整理の重要さが良く分かった。他部署との情報共有、業務理解がデジタル化において重要であることも理解できた。

 


 

■企業情報データベースプロトタイプ試作のための調査
財団のデジタル化の一環として企業支援情報データベースのプロトタイプの試作を検討しました。そのために、類似プロジェクトや成功事例、システムの検討などを行いました。他の組織の取り組みを分析することで、財団のプロトタイプ開発における最善の方法を探りました。

 

②ノーコードツールを使った企業データベースプロトタイプ開発研修
■職員の感想
・データベースの構築に関しては、今までは欲しい機能、情報を並べて作り上げていく形で考えていたが、「面→線→点」という全体の業務から考える方法があることを知ることができた。
・ノーコードツールでは慣れが必要。自分の場合はノーコードでない開発に慣れていたので逆に、どう設定すれば自分の思っている状態になるのかすぐにはわからなかったが色々教えてもらうことができた。
・「ノーコードツールである程度の形にする」という分かりやすい指標があったからこそ動きやすかったと思う。漠然と相互理解をするのではなく、ある程度の制限(フォーマット)の中で検討する重要性について学ぶことができ、良かったと思っている。
・顧客データベースの完成イメージ図をノーコードツールで形にしていたので、できることが感覚的に分かったのと、短時間でプロトタイプを作成するのに使い勝手が良いと感じた。共同編集できるのは良いと思う。

 

 


 

現状と課題(デジタルオフィス環境)

多くの企業がコロナ以前は、職場に出勤して仕事を行うことを前提とした執務環境でした。もちろん財団も同じです。しかし、コロナ感染防止対策という未経験の状況下において、リモートワークや、在宅勤務に急遽対応してきました。しかし、出勤が前提の執務環境にあって、リモートワークや在宅勤務だけではスムーズに対応できない業務も多々ありました。
そこで、財団ではコロナ感染防止に限らず、事業の継続性(BCP)の観点からも、どんな状況にあっても、業務が実施できることを目指し、財団内の業務をデジタル化する際、どこが問題になりどこが足りないか等を検討することとしました。

 

2.オフィスデジタル化の一環として機器などを導入してみた
【デジタルホワイトボードでの会議】
 導入の理由:ペーパーレス会議を実施するため

 

財団の事務所内の打ち合わせスペースに

デジタルホワイトボードを設置

 

■使用してみて良かった点
・今まで会議の際は紙を人数分印刷する必要があったが、会議時の紙印刷が不要になった。画面も大きくPCを持参すればすぐに会議を始められるようになった。
・会議時にPCを持参するのが定着し、それぞれ必要な書類を参照したりその場で検索することができ会議の効率化につながった気がする。
・会議時に話題に上がった企業のウェブページがすぐに参加者で確認できる等、情報共有にもメリットがある。
・紙に印刷するためのフォーマットづくりが不要になっているため、仕事上も非常に効率良いと感じている。

 

■使用してみて気になった点
・PCを毎回持ち運ばなければならないため面倒と感じる時がある。
・「画面にマーカーで書き込む」という行動シーンがあまり無いことが導入してわかった。
 ただのホワイトボードとしての運用であれば、結局物理ホワイトボードを使ってしまう。
・ホワイトボードは画面キャプチャをしたものには書き込めるが、スクロールが必要な資料の場合少し面倒だと感じた。
・操作(資料の取り込み、保存などの操作)には「慣れ」が必要だと感じた。

 


 

【大型モニターでのオンライン会議】
 導入の理由:画面が暗いプロジェクターでは資料が見にくいため

 

 大型モニターやWebカメラなどの

オンライン会議用の機器を整備

■使用してみて良かった点
・大人数でのオンライン会議を行う際には、画面が大きいので表示される資料の文字などが見やすくていい。
・対面の会議での資料共有、オンライン会議等、便利に使っている。
・会議がペーパーレスでできるようになり助かっている。印刷の手間と紙代の節約に繋がったと思う。

 

■使用してみて気になった点
・モニター自体の位置を移動させる際には、若干大変だと感じる。
・今のところ気になる点はないです。

 


 

【オンライン給与明細】
 導入の理由:印刷コストと配布工数の削減のため

 

 紙での配布から、PCやスマホで確認が可能に

■使用してみて良かった点
・紙での印刷や配布の手間がなくなって良かったと思う。メールで通知が来るので便利。
・データなので確認、保存が楽になった。使い勝手も問題ないと思う。
・今までは毎回スマホスキャンしており、完全に二度手間だったので、本当にありがたいと感じている。
・紙に印刷するためのフォーマットづくりが不要になっているため、仕事上も非常に効率良いと感じている。

 

■使用してみて気になった点
・将来的にグループウェアのクラウド版として給与明細が自宅でも確認できるのといいと思った。
・今のところ気になる点はないです。

 

 

財団のデジタル化の道のりはまだ始まったばかりですが、業務分析と企業データベースプロトタイプの試作を通じて、これからもより効率的で持続可能な運営を目指し、デジタル化の推進に取り組んでいきます。