公益財団法人ソフトピアジャパンの「デジタル化」推進計画(vol.3)

 

vol.3:企業データベース導入の課題と対策 ~課題編~

 

皆さんこんにちは、公益財団法人ソフトピアジャパンの広報担当です。
第3弾となる今回は、公益財団法人ソフトピアジャパン(以下 財団)の「デジタル化」の企業データベースについての課題についてご紹介していきます。


1.前回までの記事

 

前回は、デジタル化プロジェクトの進行中の経過と将来への展望に焦点を当て、主担当職員へのインタビューをご紹介しました。


過去の記事はこちらからご確認ください。
◆vol.1:デジタル化への第一歩 ~財団の業務分析と企業DBプロトタイプ試作調査~

◆vol.2:デジタル化の舞台裏 ~職員が語る財団の変革~


今回は、企業データベースを導入する際に直面する、様々な問題に焦点を当てます。
担当職員が経験した課題や難しさについてお話します。

 

2.企業データベースについて

 

改めて、財団が取り組んでいる企業データベースについてご説明します。


現在、財団では企業支援事業における重要な情報や活動の記録は、「紙の書類として保管」「オフィス系のソフトウェア(Word、Excelなど)で電子記録として作成し、ファイルサーバーに保存」されています。データの整理や検索において、以下のような課題が生じています。


具体的には、文書ファイルが個別にファイルサーバーに保存され、その内容が管理・検索できるようなデータベース化されていないため、必要な情報の検索に手間と時間がかかっています。

また、紙の書類の保管では、保管場所(別の部屋)に大量の書類が箱詰めされている。過去の書類が必要になった場合に、その大量の書類から探すため、時間も労力もかかる。紙の書類は物理的にアクセスできるため、機密情報や個人情報が不正アクセスのリスクにさらされる可能性がある。などの課題があります。


この状況を改善するため、企業支援情報をデータベース化することに取り組んでいます。

 

3.企業データベース導入:調査・課題編

 

企業データベースを導入するにあたり、財団業務の現状と課題、改善点などについて話し合いを行っています。
その中で、企業支援担当職員からのヒアリングを行い、下記のキーワードを軸に、課題とその対策方法について検討しています。

【キーワード】
 ①企業支援の業務フロー
 ②企業データベース、情報共有のありかたと顧客との接点の整理
 ③企業データベースと業務システム全体の統合・業務標準化

①企業支援の業務フロー

財団の企業支援業務フローは以下の通りです。

1.企業からの相談を受付
2.財団職員が企業へ訪問、課題ヒアリング
3.専門家の選定と派遣
4.専門家による訪問支援
5.事後の報告書作成

企業支援業務の内容は企業の相談内容に応じて多様であり、財団職員が柔軟に対応方法を検討・実施する「伴走型支援」の形式を取っていますが、一方で、仕事が標準化されておらず、属人化されていることが課題でした。

そこで、まずは業務フローの標準化として、「企業支援業務マニュアル」を作成。
■伴走型支援および事業推進にあたっての稟議資料作成等のマニュアルを作成しました。また、Microsoft Office機能を用いて資料作成をある程度自動化させました。
 具体的には、派遣に関する稟議資料について、住所や企業名、アドバイザーに関する情報などを、全て手作業で入力していたが、同じ項目を入力する箇所も多く、入力ミスなどによる書類作成やり直しが発生しており、非効率でした。



 そこで、Excelを使って入力項目をリスト化し、Wordの「差し込み印刷」を行うことで、入力を自動化させ業務の効率化を図りました。

■支援をパターン化・事例化し、内部・外部から見ても支援のパターンを分かりやすく表現しました。


●「IoT・AI+データ活用+カイゼン」型 支援
財団職員が視察と課題ヒアリング、事業紹介を行い、その後財団職員とアドバイザーが協力して視察やヒアリングを進め、現地調査を実施します。IoT・AIツールの導入支援や収集データに基づく改善指導が行われ、将来の提案がなされます。最終的には導入後の継続的なサポートと課題解決のためのフォローアップが実施されます。



●「クラウド活用+自社ノーコード開発」型 支援
財団職員が視察と課題ヒアリング、事業紹介を行い、その後財団職員とアドバイザーが協力して視察やヒアリングを進め、現地調査を実施します。ヒアリングとディスカッションを通じてIT経営簡易診断を行い、提案や情報提供を実施します。また、提案を具現化するためのツール導入や支援(ノーコードツール活用による業務改善)を、財団職員とアドバイザーが協力して行います。場合によってはオーダーメイド研修も検討され、最終的には導入後の継続的なサポートと課題解決のためのフォローアップが行われます。



●「地産地消開発(専門家派遣+地元IT企業活用)」型 支援
財団職員が視察と課題ヒアリング、事業紹介を行い、その後財団職員とアドバイザーが協力して視察やヒアリングを進め、現地調査を実施します。その後、IoT機器の提案やヒアリング業務分析を数回行い、最終的には見える化システムの提案がなされます。さらに、補助金活用や岐阜県内ベンダー開発システムなど、県や国の協力も得ながら、地産地消を推奨したDXの推進が行われます。


 

②企業データベース、情報共有のありかたと顧客との接点の整理

現在、財団では「産業の高度化」「新事業創出」「人材育成」の事業を実施しており、各事業において顧客データを各種データベースソフトやExcel等管理しています。そのため、情報入力において二重作業が発生していること、そして顧客との接点の一元管理ができていないことによる、情報共有が効率化されないことが課題です。

「いま伴走支援を行っている企業が、財団が2022年に実施したDX・IT研修を受講していた」

という事実を、機械的に入手することが、現状できていません。

 

そこで、新たに財団の業務で発生する顧客との接点を横串で構築する「支援先等企業データ活用環境」を構築し、財団職員が関わった企業の情報を一元管理できるように進めています。なお、財団職員が支援先でも閲覧しやすく、また、保守拡張しやすいクラウド環境(kintone)を用いて構築する予定です。

 

③データベースと業務システムの一体化・業務標準化

財団事業において、顧客管理一つを取っても個別管理されていることが課題ですが、事業全体において、決裁(稟議)やシステム導入が個別に進んでいるような状況です。
そこで、今後は、企業データベースを中心に支援業務のシステムを標準化できるよう検討しており、ハードウェアの導入やワークフローをはじめとする既存業務のデジタル化も同時に進めています。


そして最終的には、現状開発している企業データベースとも一体化し、上記①(企業支援の業務フロー)のように、現在は決裁(稟議)資料もアナログで作成していますが自動化等実現することで、本当の意味で働きやすい環境を実現したいと考えています。

 

まとめ

 

今回は企業データベースを軸にした、財団事業全体における情報共有のデジタル化についてお話しました。
前回の記事でも少し触れましたが、DXの導入に向けて、職員を対象に業務のデジタル化に関するアンケートを行いました。
アンケートの回答からは、「業務効率化、情報共有効率化によって支援の質を向上させたい」「業務スピードを上げるために、業務ワークフローをデジタル化したい」「リモートワークが可能な環境の整備として、ハンコ廃止や電子契約ツールの導入を進めたい」などの意見を得ました。これを踏まえて企業データベースの導入など、デジタル化を進めています。
また、実際に実現した内容と、それによってもたらされた効果については今後お話します。
これからもより効率的で持続可能な運営を目指し、デジタル化の推進に取り組んでいきます。

 

 

▶ 財団デジタル化の進捗(2024.01.31)